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はじめにをご覧ください
RBTのSplinterはModを使って操作をします。
Sneaky Pete Vaporizersの記事を見て、その通りにセッティングをして、当たり前のようにヴェポライザーを吸ってる時に、徐々にある不安が大きくなって、
既に実際の使用感に関する記事を作成・公開していたのですが、いったん取り下げてしまいました。
Splinter(およびそれらに類する、modを使用したヴェポライザー)を使用している時のヴェポライザーの使用状況を確認してみます。
<Splinterの場合>
・Splinterの抵抗値は0.25Ωです。
・myevicシリーズの亜種、tubomyevicを利用した場合、
オートファイヤーモード(Cruise mode)では300sec(5分)の連続加熱をします
・自分はCuboid miniという2400 mah、非力な電池内蔵型のmodを使って操作をしていました。
<VapeのアトマイザーとしてSplinterを見ると・・>
・アトマイザーのコイル、0.25Ωというのは「サブオーム」と呼ばれる低抵抗のコイルとみなされます。
サブオームコイルというのは、コイルが抵抗として作用しにくく(コイル内で電流が消費されずに)、コイルに対して流した電流が、低抵抗であれば低抵抗であるほど、大量の電流が回路に流れて危険を生じます。
例えば、1Ωのコイルに対して4.0Vのバッテリーを使用した場合は
・4.0V / 1Ω = 4A の電流が回路に流れます
Splinter(0.25Ω)の場合は、電子制御されていない場合
・4.0V / 0.25Ω = 16Aの電流が回路に流れ、
ショートに近いような0.01Ωの非常な低抵抗の場合は
・4.0V / 0.01Ω = 400Aもの膨大な電流が回路に流れます。
発生する電力換算でみますと、
・1Ωの場合
4.0V x 4.0V / 1.0Ω = 16 W
・0.25Ωの場合(splinter)
4.0V x 4.0V / 0.25Ω = 64 W
・0.01Ωの場合
4.0V x 4.0V / 0.01Ω = 1600 W
と、かなり怖いことをやってるというのがご理解いただけると思います。
(ここまではVapeをやってる人であれば、常識中の常識ということになりますが)
これらは電力(W)や電圧(V)を全く操作せずに、回路とバッテリーを直結した際に発生する事象ですから(Vapeならメカニカルmodを使用した場合、など)、基板を介して電力や電圧を変化させるテクニカルmodであればこのような問題は起こりにくい、というのは一つの考え方になります。
<Modやバッテリーの爆発事例に学ぶ>
Vaping360という、Vapeユーザーの中では比較的有名なサイトがあって、有害事象の例と対策の記事を書いてくれています。ざっと眺めてみましょう。
→ Vapeの際の爆発などは、ほとんどのケースがヒューマンエラーであり、バッテリーに対して少し勉強するだけで容易に防ぐことができる
と冒頭に記載があります。事実を拾っていきます。
・アメリカにおいてはVapeに関連して救急対応されたのは2016年で26例、アメリカ全土では1,007例ほどの事例があることが推測される。
・Vapeによる事故のほとんどのケースでは、救急対応を要するほどのない軽度のものであったことが推測される。
・Vapeに関連する事故の原因の第一位はヒューマンエラー(人的ミス)であり、バッテリーの扱いが不適切であったことに起因する。
1.バッテリーをショートさせると爆発する恐れがある
2.やけどが発生した部位の77.3%は大腿部上部、あるいは下腹に集中している
(ポケットの中でバッテリーが爆発している)
対策は?
・ポケットの中にむき出しのバッテリーと鍵を入れてガチャガチャさせない
・バッテリーの被覆を剥がさない
・充電器やバッテリーは適切なものを用いる
・メカニカルmodではやたらと低い抵抗値で用いない
感想(うまおじ)
・Vapeによるほとんどの爆発事例は、メカニカルmodあるいはバッテリーの不適切な運用に起因する、と読めます。
<テクニカルmodでの過去の爆発事例>
テクニカルmodの過去の爆発事例で有名なのは
Wismec Exoskeleto ES300 Modの件でしょう。リンク先に詳細が書かれています。
Wismecは爆発事例が報告された後、ファームウェアのアップデートを行い問題に対応しました(リコール対象とならずに少し揉めたようです)
その他の事例でtwitterなどでよく見かけるのは、
・ポケットの中でボタンが押され、autofireされた
・スリーブ(保護用の入れ物)がズレてautofireされた
という事例が目立ちます。
過去の記事にも書きましたが、テクニカルmodは比較的安全に運用できます。
しかし、
・ポケットやカバンの中で勝手に電源がonになってヒートアップしたら危ない
・シュリンクが破損しているバッテリーは使用しない、使うならば自己責任でリラップをする
・メーカーが推奨しているバッテリーよりも安全性の低いバッテリーは使用しない
・バッテリーを含め、ヴェポライザーは高温下に置かない
・充電で一般的に用いられるMicroUSBケーブルなどは、質の高いものを使う。18650バッテリーチャージャーも信頼性の高いものを使う。
・全ての選択は自己責任になるので、バッテリーについてはきちんと勉強する
といったことは重要かと思います。
<Splinterでテクニカルmodを使用する場合の注意事項>
上記の爆発事例、およびテクニカルmodでの注意事項をまとめると、
Splinterを使用する際の注意事項が見えてきます。
・ファームウェアの性質について理解する
・Tubomyevicを利用する際は、usageをよく読む
・Tubomyevic(あるいはその他のファームウェア)によってautofire(Cruise)使用するときは、ポケットの中などで意図しないautofireにならぬよう気をつける
・信頼できるバッテリーを使う
・信頼できる充電器を使う
・少なくとも2本以上のバッテリーを搭載できるmodを選ぶ
(シングルバッテリーだとすぐに枯渇する、バッテリーの負荷が大きい)
・autofireで連続使用しない、本体が熱くなったらクールダウンを設ける
・使わないときはバッテリーを抜いておく
・modに基板が破損するような衝撃を加えない
・破損したバッテリーを使わない
といったところでしょうか。
以上の記載が理解できない場合は、modを使ったヴェポライザーの使用はやめておくのが賢明でしょう。
記 2019/9/14