様々に和訳された記事が出てきていますが、
和訳された記事の大元はこちらであると考えられます。
和訳された記事の一例はAFP通信などで確認できます。
国内でWHOのレポート(2019年度 WHO 世界におけるタバコの蔓延についての報告)をきちんと読んだ人がどれぐらいいるのか・・
フルレポートはこちらでダウンロードできます。
自分は電子タバコと加熱式タバコにしか興味ありませんので、その部分だけ抜粋してWHOの報告を列挙しますと(p47-57にその報告があります)
・まず、WHOのいう"電子タバコ"というのは、国内ではVapeに分類されるものを指し、リキッドはニコチンを含んでいても含まなくても"電子タバコ"のカテゴリに含めているようです(PloomtechもmybluもVapeも電子タバコのカテゴリです)
・以前は加熱式タバコの表記はHeat not Burn(HNB)という表記が一般的でしたが、WHOがHeated tobacco products(HTPs)という表記を始めたことから今後はこちらが一般的になっていくでしょう。HTPsにはPloom S、glo、iQOS、そしてシャグやパイプ葉を利用するヴェポライザーが含まれます。
<加熱式タバコについての見解>
紙巻きタバコと比べ有害物質の含有量は概ね少ないようだが、従来の紙巻きタバコには見られない新規の有害物質が加熱式タバコでは検出されているので、一概に「有害性が低い」とは言えない。また有害物質の含有量が低いからといって疾病の発生率が下がることを意味しているわけではない。規制すべき。
<電子タバコについての見解>
紙巻きタバコに比べ有害性は低いかもしれないがエビデンスが十分でない。電子タバコのせいで本来ニコチンに接しなかった若者までがニコチンに依存しうる(アメリカ)。加熱されたリキッドはニコチンや他の有害物質を含有している(もちろんニコチン入りリキッドの話でしょうが)
電子タバコはいずれも長期毒性試験を経て安全性が確認されたものではないので、有害性の程度がわからない。規制すべき。
WHOのレポートは
こんな感じで簡潔にわかりやすく書かれています、さすがWHO。
最新のエビデンスを元に、きちんと論文の参照元も列挙されて作成されているレポートなので、今後の加熱式タバコや電子タバコの議論はこのWHOのレポートを基準になされることになるでしょう。
電子タバコも加熱式タバコも「有害」なのは分かりきったことなんですよね。こちらとしては非喫煙者と比べての疾病の発生率の比較、紙巻きタバコに比べて疾病の発生率の低減効果が知りたいところなんですが、前向きコホート研究やるには時間もカネもないでしょうから(タバコの副流煙による有害性が実証されるのにどれほど時間がかかったことか・・)
ともあれ、WHOが公式に「電子タバコ」および「加熱式タバコ」を間違いなく有害であると表明したことで、国内においてはこれらユーザーの肩身は今後も狭くなるかもしれません。
やめられるならさっさと禁煙した方がいいでしょうねぇ。
記 2019/7/27