うむ美味いおじさん ヴェポライザー レビュー

うまおじ ヴェポライザーに慣れていない人たちのためのブログ

ヴェポライザーの有害性を考える

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ヴェポライザーの健康への被害、有害性について検討してみようと思います。

(なお、うまおじ自身は呼吸器のお医者様のような専門家ではありません、素人に毛が生えた程度の考察だとご理解ください)

 

この考察に書かれていること

 ・紙巻きたばこに比べて、能動喫煙及び受動喫煙の被害は少ないと考えられる

 ・燃焼温度から類推するに、iQOSに比べて健康被害は同等かそれ以下と考えられる

 ・ニコチン吸入の有害性はフィルターを用いないぶん、iQOSや紙巻きたばこより大きいと考えられる

 ・"喫煙"である以上、有害でないわけがない

 

<ヴェポライザーのユーザー数>

統計的な事実を列挙しようと思います。

2018年時点での「加熱式タバコ」のユーザー数は推測値ながら全体の24%に達する見込みとされています。この加熱式タバコのほとんどは「iQOS、glo」であり、ヴェポライザーは通常シャグやパイプたばこを使って喫煙をしますので、この「加熱式タバコ」には分類されず、税制上の「葉巻たばこ」「パイプたばこ」が我々の税制上の区分になっています。

日本における喫煙者数は1400万人とされていますが、おそらくヴェポライザーの使用者は1%前後であり(具体的な数字は2019年度になってからのたばこ税区分の中の「葉巻たばこ、パイプたばこ」の税収でおおよそが分かります)、

 

つまり上述から何が言いたいのかというと、「喫煙者」の世界の中でヴェポライザーユーザーというのはすごく数が少なく、かつそんな小さなパイのために誰も真剣には有害性や健康被害を論じる論文を書かないということです。(14万人にフォーカスを当てた論文より、340万人(iQOS,glo)を対象にした論文の方が評価されるのです)

 

<参考文献>

ですから、すでにある論文を元に、そこからヴェポライザーの有害性を類推する必要があります。

 

ここに、日本で研究された「iQOS論文」なるものがあります。

被引用数が比較的多く(16回)、国内でiQOSの有害性に関する講演が開かれると大概参考文献として出てくるデータですね。2017年のデータで文献としても比較的新しい。

(なお、無料でFull-textのダウンロードが可能です)

f:id:umu_umai_ojisan:20180830154542j:plain

Comparison of Chemicals in Mainstream Smoke in Heat-not-burn Tobacco and Combustion Cigarette.Bekki, Y. Inaba, S. Uchiyama, et.al.J UOEH 39 (3) : 201-207 (2017)より、Table1、Table2を引用

 

ここに書かれている重要な事項は

 ・主流煙での測定値において、紙巻きたばこに比べてiQOSは

  → 一酸化炭素の吸入が少ない(約1/70)

  → タバコ特異的ニトロソアミンの吸入が少ない(約1/10)

  → ニコチンの吸入はあまり変わらない

じゃあタールは?となるんですが、この論文を見る限り、紙巻きたばこに比べてiQOSは

  → 紙巻の半分程度のタール吸入がある(約1/2)

となります。

ここで二つの疑問が出てきます。

 1.アイコスではタール出ないって聞いたぞ?

  → 法制が追いついておらず、紙巻以外のニコチンやタールの記載を免れているだけです。書かなくていいのだから書いてないだけです。

 2.本当に紙巻の半分もタールが出るのか?

タールの測定方法が以下のサイトに記載されています。

このサイトでタールの計測法を見ていただきたいんですが、要するに

 タール = 吸い込んだもの ー 水分 ー ニコチン

なわけですね。「出てきたものからニコチンと水分を引いたゴミ箱 = タール」なので、紙巻が不完全燃焼の際に発する様々な有害物質や燃焼剤による有害物質などはiQOSでは少ないだろうと推測されるのですが、ちょっとタールの定義が雑すぎます。

さらに言えば公にタール値として扱えるものは「紙巻きたばこについてタバコ自動吸入器を用いて国際基準に従った測定をおこなったもの」が基本になるので、厳密にはヴェポライザーや加熱式タバコでは"タール値"についてのそもそもの議論が難しいという話になります。

吸ったアイコスの呼気中のタールについて議論を通そうとするなら、ゲップやオナラにもタールは含まれていますよという馬鹿げた話になりますが、そういう極論にならないのはタールについては厳密な国際測定基準があるからです。

ちなみに前述のiQOS論文に関してはISO測定基準に基づいていますので、タールの測定値は正確だと考えられます。また、この論文が優れているのは、有害物質として重要と考えられるタバコ特異的ニトロソアミンと一酸化炭素については通常タールに含めてしまうのですが、個別に測定している点にあると思います。

(大本営発表になりますが、フィリップモリスはiQOSから発生するタールの半分以上はグリセリンであると強弁しております(生データみつかりませんが))

 

さて、ようやく本題に入ります

<ヴェポライザーでの喫煙は体に有害なのか>

前提条件を確認します。

1.通常ヴェポライザーで喫煙をするユーザーはフィルターをあまり使用しない

2.ヴェポライザーで使用する温度帯は通常170度-230度の範囲内

3.ヴェポライザーは多数販売されており、質の高いものや質の低いものがある

 

1.フィルターの有無

iQOS論文では紙巻とiQOSは同程度のニコチンを摂取するということでした。世に言う「ライト」や「ミディアム」といった紙巻きたばこの商品名は、フィルターにある通風孔の数でニコチンの摂取量をコントロールしています(他にフィルターに工夫をしているかもしれませんが、ちょっとそこは詳しくないです)。

理論上はヴェポライザーもドローを軽くすればニコチンの摂取量は減りますし、ドローを重くすればニコチンの摂取量は増えることになるでしょう。

フィルターを用いずに加熱式タバコで200度で加熱した場合のデータが以下サイトで参照できます

<タバコ特異的ニトロソアミン>

iQOS論文では、アイコスを吸った時のタバコ特異的ニトロソアミン(以下TSNA)の数値は70ng/cigでしたが、200度でフィルターなしの加熱式タバコで測定した結果は7.1ng/cigとなっています(平均値)。おそらく加熱温度に起因する差だと考えられます。

 

<ニコチン>

iQOS論文では紙巻きたばことiQOSは同等のニコチン発生量ですが、加熱式タバコで200度で発生するニコチン量はバラつきがあり、平均値でもヴェポライザーの方がやや高く、210度などの高温で使用する場合には、かつフィルターなしでドローを重くした場合、2〜3倍程度のニコチン吸引量になることが予測されます。

 

フィルターなしのヴェポライザーは、特にニコチンにおいてフィルターありのiQOSよりも吸入量は多いと考えるのが妥当だと思います。

 

2.ヴェポライザーとアイコスのブレード温度の違い

iQOSのブレードは300度近くまで加熱されますが、ヴェポライザーは通常そこまでは加熱をしません。いわゆる紙巻の"タール"と呼ばれるものはヴェポライザーではより発生が少なくなることが予測されますが、フィルターなしに直接入ってきますのでなんとも言い難いです。

なお200度で測定した加熱式タバコの論文を見る限り、ニコチン以外の有害物質についてはiQOSよりもヴェポライザーの方が発生量が少ないようでした。(ただしその論文が全ての有害物質について検証できているわけではありません)

 

3.ヴェポライザーの質

iQOSではホルダーの焦げを放っておくと有害物質が発生することが明らかになっています。

いろんなところのいろんな話を聞いていると、マウスピース解けたとか基板にニコ汁が染み込んで壊れていたとか、そんな話を山ほど目にします。

Black Widowでは分解時のレポートに、エアフローが基板を経由しているということで問題視している海外サイトがありました。

質の高くないヴェポライザーについてはiQOSよりも有害な物質を多く取り込んでいる可能性について考慮せねばなりません。

 

<じゃあ、日本の禁煙学会などはどの程度この現状を認識しているのか?>

学術的な分野では、呼吸器のお医者様や禁煙学会の先生方には正確な情報を元に健康指導をしていただきたいと思うものです。

興味深いpdfがあります。

このpdfは禁煙学会やお偉い先生方を誹謗、中傷する目的で紹介しているわけではなく、「つまりお医者様も加熱式タバコや電子タバコの最新情報をフォローアップできていない」という現実を認識していただくためにリンクを貼っているだけです、勘違いなさらないように。

そのpdfがこちらになります。

参考になるデータは拾っておきましょう、今年の5月27日のデータですからね。

 ・日本人8600万人のうち、アイコスユーザーは310万人

 ・加熱式タバコか電子タバコを使ってるユーザーは400万人

 ・どっちも使っているユーザーは290万人

ヴェポライザーやVapeを使っているユーザーは数十万人と類推できます。

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さて、めまぐるしく変わる情報にお医者様がついていけてない情報を示そうと思いますが、スライド23

JTが公式に発表している「プルームテックではほぼタールが出ない」という情報について、前述のiQOS論文を用いて「iQOSではタールが出てるじゃないか」

 → だからメーカー側が嘘をついている、という論法をとってます

プルームテックはVapeで、アイコスは加熱式タバコですからこの論法は厳しいでしょう。プルームテックでタールを論じることがいかに馬鹿げているかは前述したつもりです。

 

スライド57、電子タバコで爆発事故を起こしたスライド

・Vapeのメカニカルmodで超サブオームしてクラウドチェイサーやってる人とiQOSユーザーを同列に語るのはちょっと無理があると思います。

 ヴェポライザーやってる人はバッテリーと基板に気をつけようという議論はもちろん同意しますが。

 

上述のPDFのほとんどは参考になる、勉強になる内容なのですが、残念ながらiQOS、glo、プルームテックと電子タバコを混同してしまっており、さらにヴェポライザーについては知りもしないという状況な気がします(言及がありません)

 

電子タバコや加熱式タバコの危険性について啓蒙していく立場の人が3ヶ月前に行った講演がこの内容ですから、ヴェポライザーでの健康被害については使えるデータがほとんどないという現状なのはご理解いただけると思います。

 

<さいごに>

ヴェポライザー自体が草創期にあるジャンルであり、示すことができるエビデンスがほとんどないのは申し訳なく思いますが、データを総合的に解釈すれば、

ヴェポライザーをフィルターなしに用いた場合、フィルターありのiQOSよりはおそらく有害性が同等、あるいはそれ以上であり

アダプターなどを使ってフィルターを用いた"質の高い"ヴェポライザーでは、iQOSよりも有害性が低くなることが推測されます。

(ニコチンによる有害性を加味しない場合、iQOSよりもフィルターなしのヴェポライザーの方がトータルでは安全性が高いかもしれません)

特にみなさん体感されていると思いますが、フィルターを用いないヴェポライザーではニコチンの吸入量が多く、ニコチンの吸引単独でも末梢血管収縮、血圧上昇、心拍数増加といった循環動態への影響が確認されています。

考えれば分かることですが、血管や心臓がらみの基礎疾患を抱えている人ではニコチンを吸引することにより病状が悪化するのは妥当な結果だと思います。ヴェポライザーのユーザーがしばしば口にする「ニコクラ」は抹消血管の収縮により脳血流が減少することによって起こる立ちくらみみたいなもんでしょう。

 

以上、だからどうしたということを書きたいわけじゃないのですが、人に迷惑をかけず、自分の健康にもある程度気を配って楽しくヴェポライザーを使っていきたいものです。(血圧170/120の自分が言えたことじゃないですけど。)

 

記 2018/8/30

記事更新 2018/11/15